2023年10月8日、馬入ふれあい公園サッカー場で、高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2023 神奈川 K1 第15節「湘南ベルマーレU-18A（以下、湘南ベルマーレ）対 日本大学藤沢高校A（以下、日大藤沢）」の一戦が行われ、湘南ベルマーレが日大藤沢を4-0で破り勝点3を積み上げた。
前節終了時点で勝点30を挙げ首位を走る日大藤沢は勝って首位を固め、その勢いで選手権予選に突入を計りたい。一方、勝点26で2位の湘南ベルマーレも直接対決に勝利し勝点差を詰めたい。双方の思惑が絡み合う一戦だったが、試合は序盤から湘南ベルマーレが高いポジションから激しくプレスを掛け、主導権を握る。
先制点は20分、CKからのこぼれ球を拾ったMF田村勇人（8）が右サイドからクロスを放り込むとこれをFW寺下翔和（19）が合わせる。勢いに乗った湘南ベルマーレは26分、左サイドからカットインしたFW石井久継（7）がゴール前に侵入した寺下にスルーパス。寺下は逃さずシュートを狙うが、GK野島佑司（1）がセーブ。しかし、ボールが大きく弾み、野島が再び身体を張ってキャッチを試みるがファンブル、それを寺下が逃さずサイドに流すとMF伊波純（13）が足から飛び込み追加点を挙げる。
前半の内に1点を返し反撃に出たい日大藤沢だったが、更に強度の上がった湘南ベルマーレの守備に苦しみ、ボールを前線に運ぶ事が出来ない。逆にミスからボールを奪われ、カウンターから最後は石井に決められ、前半を3点のビハインドで終える。
早い時間帯で点差を埋めたい日大藤沢。しかし、後半に入っても湘南ベルマーレのプレスに苦しみ、前線にボールが出ても前を向けない状況が続く。70分、右サイドを上がったDF坂口康生（2）からのグラウンダーの速いパスがゴール前に飛び込んだ途中出場のFW進藤匠（19）に入るが、僅かに届かずボールは無常にも逆サイドのポストの外側へ抜けていく。
すると85分、ゴール前に入ったFKのこぼれ球をFW中村優真（11）が豪快に蹴り込み、湘南ベルマーレが4点目を奪取。結局、試合はこのまま終了し、湘南ベルマーレが勝点３を積み上げて、首位の日大藤沢に勝点1差に詰め寄った。
試合後、湘南ベルマーレU-18 A・平塚次郎監督は「前回、日藤さんに負けているので前期の敗戦を糧に勝てて非常に嬉しいです。しっかり日藤さんも丁寧に繋いでくるサッカーなので自分達も相手の攻撃の布陣だったり質を見ながらプレスが掛けられました。」選手たちがプラン通りの試合運びをしてくれた事に満足そうだった。また、4得点に関しては「選手たちが本当に良くやってくれたと思います。1点ではなく2点、3点と。（前半終了間際の）3点目は大きかったですね。勿論2点目もですが…良くやってくれました。」と選手たちを手放しで讃えていた。
惜しくも手痛い敗戦を喫してしまった日本大学藤沢高校・佐藤輝勝監督は「前期、ウチが同じように勝利したので、どういう気持ちで来るか分かっていた上で、それを上回ろうと話していましたが受けてしまったのは事実ですね。これまでも受ける場面はあったが、そこを粘れたのが今までの我々の良さだったが、今日は2点目3点目と重ねて、ゲームを自分達で難しくしてしまった要因かなと思います。」と悔しさを滲ませながらも敗因を語ってくれた。
他の地区同様、神奈川県もこの試合を一区切りに選手権予選のためにリーグ戦は中断期間に突入する。残り試合は共に4試合。絶対に負けられない戦いは再開後も続く。
（取材・文 Kazuhiro.N）
