2023年9月18日、神奈川工科大学グラウンドで、2023年度 第102回 全国高校サッカー選手権大会 神奈川県2次予選 2回戦「神奈川県立厚木北高校（以下、厚木北）対 神奈川県立大和高校（以下、大和）」の一戦が行われ、
前半効果的に得点を重ねた厚木北が大和の追撃を抑え3回戦進出を決めた。
同じ県央地区の公立校同士の一戦。「全国出場」を目標に掲げる厚木北は初戦の緊張感からか立ち上がりは大和にボールを握られ守備に時間を費やす展開が続く。しかし、徐々に落ち着きを取り戻すと16分、掴んだCKから試合を動かす。「自分が得意なキックだったので自信を持って蹴りました。」右コーナーからDF木山涼太（18）のCKは綺麗な放物線を描いて相手GK折原怜（1）の伸ばす両手を跳ね除けゴールネットを揺らした。
これで勢いに乗った厚木北は直後の17分、DF木村志夢（25）が「とにかく強気で打った」ミドルレンジからの一撃がゴールネットに突き刺さり2-0と更にリードを広げる。
2点のビハインドで迎えた大和は後半開始早々に相手ゴールに迫るも勢いを見せるが、厚木北も56分にFW小野凛太郎（19）が強烈なシュートで応酬するなど膠着した状態が続く。
しかし、クーリングブレイク明けの62分にCKのクリアボールを回収したDF鰀目ひかる（14）がゴールを決め、遂に大和が1点差に迫る。失点によって守勢に回り大和の攻撃に耐える厚木北だったが、「自分が決めて流れを戻す事を考えていた」キャプテンのMF井上隆一（5）がカウンターから2度の決定的場面を作る踏ん張りを見せ、結局、大和の反撃を1点に抑え2-1で勝利した。
試合後、厚木北高校・渡邊浄仁監督は「相手の大和高校さんは良く強化されているチームというのはわかっていた。選手たちも一戦必勝で驕る事なく粘り強く良くやってくれたと思います。選手たちの最後の踏ん張りどころが勝ってくれて僕としても嬉しい勝利でした。」と選手たちの成長を褒めた。
また次戦の日大藤沢戦については「チャレンジャーという部分と関東大会（予選）のベスト4の時に負けている事もあり、選手たちも『もう一回出来る！』とやる気が満ち溢れているので彼らの良さが出たら良いなと思います。公立（高校）として頑張って、踏ん張って、最後パワー出す。選手たちが魅せてくれて、輝いてくれる、監督として一番望むところなので、何とか引き出してあげたいなと思っています。（同じ公立の）大和高校さんは、とても良いチームでしたので彼らの分もしっかり準備して勝って『北高凄いな！』と言うところを魅せたいと思います。」と締め括った。
惜しくもあと一歩及ばなかった大和。FW中原一樹（10）を軸に人もボールも良く動く質の高いサッカーだった。前後半とも立ち上がりにペースを掴んでいただけに、先制点を奪っていたら展開は違っていたかも知れない。
勝ち上がった厚木北の3回戦の相手は全国高校総体でベスト4に入った日大藤沢。厳しい戦いが予想されるが、「百者蹴一心」みんなの思いを込めて一つのボールを蹴り、是非とも勝利を掴み取って欲しい。
（取材・文 Kazuhiro.N）
