2023年9月18日、神奈川工科大学グラウンドで、2023年度 第102回 全国高校サッカー選手権大会 神奈川県2次予選 2回戦「神奈川県立座間高校(以下、座間)対 平塚学園高校(以下、平塚学園)」の一戦が行われ、座間が、MF宮崎堅斗(6)が挙げた逆転ゴールをGK中村翼(1)の献身的なセービングで守り抜き、平塚学園を下して3回戦進出を決めた。
座間ボールのキックオフで始まった試合は開始からわずか2分で平塚学園のゴールで幕を開ける。中盤でボールを保持したMF髙野塁衣(7)がDFをフェイクで交わすとそのままゴール前にドリブルで運びシュートを放つが、これは中村がセーブ。しかし、溢れたボールに素早く反応したFW熊谷頼(10)が押し込み先制する。
そんな喜びも束の間、座間もすかさず反撃に出ると13分、カウンターから掴んだ左サイドのDF吉田幸太郎(4)からの折り返しを「サイドが抜けてくると信じて中に走った」MF藤村隆乃介(11)がワンタッチで合わせ、試合を振り出しに戻す。
座間は35分にもゴール前で決定的なシーンを迎えるが、ここはGK藤井俊暢(16)の右手一本で平塚学園が凌ぐ。
すると今度は平塚学園が40+2分に熊谷からの折り返しをFW児玉煌明(27)がヘディングで合わせるが、ボールはクロスバーの上を通過していく。
1-1で迎えた後半、今度は座間が試合を動かす。右サイドからDF小峰健太郎(7)が放ったロングスローをニアサイドでFW久保蓮恩(14)が競り合い背後に流すと、これを宮崎が「いつもやっている練習通り」の高い打点からゴールに叩きつけ逆転に成功する。
何とか試合を振り出しに戻し逆転に転じたい平塚学園は、髙野と熊谷のホットラインから何度も好機を演出するが、得点には至らない。その後も最後までゴールを目指し攻め続けた平塚学園だったが、座間の集中した守りを最後まで崩す事が出来ず、2回戦で姿を消した。
試合後、座間高校・田崎徹ヘッドコーチは「選手たちがトレーニングでやった通りの事を(試合の中で)良くやってくれたと思います。」と選手たちの頑張りを労った。更に「(3回戦までの)1ヶ月しっかり準備をしていきたいと思います。選手たちもしっかり準備をすれば戦えると言う事を今日の試合で感じる事が出来たと思います。ベスト4まではどこのチームでも可能性があるという事を選手たちには話しているので、先ずはそこまで勝ち上がっていきたいと思います。」と今後に向けての抱負を語った。
惜しくも敗れてしまった平塚学園。終了のホイッスルと共に何人かの選手がピッチに崩れ落ちた。好機が多かっただけに、自身のミスから先制を許し、「自分が決して折れてはいけない」と身体を張った中村の好守にフィニッシュをさせて貰えなかった事が悔やまれる。
3回戦に進んだ座間の次の相手は相洋高校。キャプテンの中村が教えてくれた「ピッチに立つ11人だけでなく、学年に関係なくチーム全員で臨む」座間高校らしさを次の試合でも魅せて欲しい。
(取材・文 Kazuhiro.N)