2023年11月11日、味の素フィールド西が丘で、第102回全国高等学校サッカー選手権大会 東京都2次予選 Aブロック 決勝「國學院大學久我山高校(以下、國學院久我山)対 早稲田実業学校高等部(以下、早稲田実業)」の一戦が行われ、早稲田実業が、前半に挙げた2ゴールを全員守備で守り抜き、連覇を狙った國學院久我山を破って初の全国出場を決めた。
先週までとはうって変わり、初冬を思わせる13.6℃という寒さの中、定刻通りに國學院久我山ボールでキックオフ、直後に試合はいきなり動き出す。
1分、スローインから始まった攻撃は、DF荒木陸(5)の右サイドからの折り返しの跳ね返しを前へ詰めたMF岩間一希(6)がシュート。これがスルーパスのような形になりゴール前で受けた1年生FW竹内太志(8)が迷わず右足を振り抜くとポストに当たりながらもゴールインし早稲田実業がファーストプレーで先制する。
いきなりのビハインドとなった國學院久我山だったが、早い時間帯の失点と言うこともあり、落ち着いて両方サイドをワイドに展開し反撃に出る。しかし、早稲田実業も粘り強い守備でフィニッシュの形を作らせない。
すると27分、早稲田実業は右サイドからのサイドチェンジを受けた左サイドのMFスミス聡太郎(11)が逆サイドのMF西山礼央(7)に折り返すと西山がワンタッチでこれをゴールに沈め、早稲田実業が追加点を挙げる。
2点を追いかける國學院久我山は、30分にゴール前からのセカンドボールをDF太田圭駿(15)がミドルシュートを放つが、大きくバーを超えていく。
まずは1点を取って、反撃の糸口を掴みたい國學院久我山は、後半に入ってもボールを握り続け相手陣内に攻め込むが、早稲田実業は全員が引いて守備を徹底、無理をせずセーフティーファーストで対応する。そしてボールを奪うとシンプルに両サイドから前に運び、ゴール前で際どいシーンを作りながら、相手の反撃を抑え込む。
時間は徐々に経過し、國學院久我山はロングボールも多用しながら、何とか早稲田実業のゴールをこじ開けにかかるが、最後まで集中を切らす事なく互いをカバーしながら前半の2点を守り切った早稲田実業が、12年前に果たせなかった悲願の全国大会出場を決めた。
試合後、選手たちが優勝インタビューを受ける姿を暖かく見守っていた早稲田実業の森泉武信監督。込み上げてくるものを噛み締めながら見つめる姿が印象的だった。
(取材・文 Kazuhiro.N)
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