2023年11月5日、小笠山総合運動公園エコパスタジアムで、第102回全国高校サッカー選手権大会静岡県大会 準決勝「静岡学園高校(以下、静岡学園)対 浜松開誠館高校(以下、浜松開誠館)」の一戦が行われ、静岡学園がDF野田裕人(13)の決勝ゴールで浜松開誠館を退け、2年ぶりの決勝戦に進出を決めた。
昨年のセミファイナルと同じカード。前回は浜松開誠館が2-1で勝利し、そのまま全国へ出場した。静岡学園にとっては昨年のリベンジを果たし、その勢いで全国への扉を開けたい。
開始早々から攻撃的に試合を進める静岡学園。個人技を駆使しながら巧みにボールを動かし、浜松開誠館のゴールを伺う。MF高田優(10)が起点となり、前線ではFW庄大空(7)が豊富な運動量でプレッシャーをかける。29分には左サイドからMF田嶋旦陽(16)がカットインからゴールを狙うが、これはバーの上。田嶋は37分、そして前半アディショナルタイムにも積極的にゴールを狙うが、いずれも得点には繋がらない。
サイドが変わった後半も静岡学園の攻勢は続く。45分には田嶋のパスから、50分には中央付近から自らのドリブルで庄が立て続けにチャンスを作るも決まらない。
圧倒的に攻めながら得点できない静岡学園だったが、52分、DF吉村美海(19)のシュートからCKを獲得、左コーナーから高田の蹴ったボールにファーサイドで待ち受ける野田が『僕のマークの子が非常に厳しく付いて来たので難しかったのですが、上手く外れて良いボールが来て決める事が出来て良かったです。』の言葉通り、フリーでキッチリ合わせるとボールは吸い込まれる様にゴールへ。なかなか動かす事が出来なかった試合をようやく動かす事に成功する。
結局、その後も攻め続けた静岡学園が、守備でも浜松開誠館のシュートを僅か1本に抑える完璧な試合運びで、去年の雪辱を晴らし2年ぶりのファイナル進出を決めた。
試合後、静岡学園高校・川口修監督は『浜松開誠館の選手が非常にハードワークをしていて、なかなか自分たちの持ち味を出させてくれないゲームでした。去年、同じ場所で浜松開誠館に負けていたので、後輩たちがリベンジしてくれて良かったです。』と試合を振り返った。また、決勝に向けては『決勝まで行ったらあと一つなので結果に拘って全国まで行けるように頑張りたい。』と力強く意気込みを語った。
惜しくも敗れてしまった浜松開誠館。前半から主力メンバーの負傷交代が続き、用意してしたプラン通りに試合が運べなかったのは残念だった。それでも静岡学園の攻撃をギリギリまで封じ込めた守備力は見事だった。
(取材・文 Kazuhiro.N)