2023年10月15日、駒沢公園補助競技場で、2023年度 第102回全国高校サッカー選手権大会東京都2次予選 「東京都立片倉高校(以下、都立片倉)対 明法高校(以下、明法)」の一戦が行われ、都立片倉が攻撃的な守備からゲームを組み立て4-0で明法を退け、同校史上初のベスト8進出を決めた。
前年度同校史上初のベスト16進出を果たした都立片倉は「西が丘のピッチに立つ」という今年の目標を掲げ、この試合もスタートから「全員」がピッチを駆け巡る。
序盤からMF石坂垣空(14)とFW歳森杏介(10)を軸に積極的に仕掛ける都立片倉は16分、その仕掛けから溢れたセカンドボールを走り込んだMF鈴木拓(6)が豪快にミドルシュートを決め先制する。対する明法も40分にカウンターからFW林佑樹(9)が持ち出し、FW藤田優羽(8)に託すが枠を捉えられない。
1点のリードで折り返した都立片倉だったが、後半は明法の粘りに試合が拮抗、しかし、61分ゴール前の混戦からFW横溝凌也(18)がGKとの1対1を決めてリードを2点とするとここから攻撃が加速、70分、71分と石坂が立て続けにゴールを決めると残り時間も反撃を試みる明法を攻撃的な守備で抑え込み4-0で快勝した。
明法も後半は試合を立て直し、林のスピードを活かしゴールに迫ったシーンもあった。中盤で片倉の素早いハードワークに遭い攻撃を寸断されてしまったのが悔やまれる。
この試合で目を引いたのは片倉のGK小野秀梧(21)。「ウチは前から前からというプレーでやっているので自分がコートの半分を守る意識でやっている。まだまだ足りませんが目標は(ドイツ代表の)ノイヤーです。」と言うだけあってその守備範囲の広さとスピードは目を見張った。本宿博史監督も「あのスピードを活かした思い切りの良さが彼の持ち味。但し、失敗すると前半のアレ(クロスバーに助けられたもののガラ空きのゴールマウスを狙われた)になっちゃうけどね」と苦笑いを見せながらも教え子の奮闘ぶりに満足そうだった。
GK小野をストッパーにDF大川翔(3)、DF熊谷慈玖(4)の攻撃的なCBを起点に前から素早い展開でゴールを目指す「片倉スタイル」。目標の西が丘を前に、成城学園を圧倒した大成が立ちはだかる。「西が丘の天然芝に立たせてあげたいですね」と最後に締め括った本宿監督。指揮官の想いを載せて「片倉スタイル」でその切符を掴み取って欲しい。
(取材・文 Kazuhiro.N)
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