2023年7月15日、星槎箱根仙石原グラウンドで、高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2023 神奈川 K2 第9節「相洋高校A(以下、相洋)対 桐光学園高校B(以下、桐光学園)」の一戦が行われ、相洋がFW先山拓輝(9)の技ありゴールを皮切りに3連続ゴールで桐光学園に逆転勝ちし、リーグ前半を3連勝で折り返した。
試合前から降る雨が吹きつける強風で横殴りになるバッドコンディションの中、両チームの選手たちは終始質の高いパフォーマンスを演じた。前半は、強風の影響もあり、攻守の入れ替わりが激しい展開で試合が膠着。勝負は後半45分に委ねられる。
先手を取ったのは桐光学園。58分、右サイドでボールを持ったMF伊藤壮喬(8)がゴールライン近くから折り返すとボールはニアに詰めたMF山本陽大(7)の股下をすり抜けゴール前へ。DF2枚の間から一瞬早く抜け出たFW浦上大和(9)が、これを頭で押し込み先制点を挙げる。
浦上は、58分のFKのチャンスにも難しい体勢からヘディングで合わせるが、これは大きく枠を超えてしまう。
すると69分、相洋は先山がGK村田侑大(1)との1対1のチャンスで技ありのループシュートを決め試合を振り出しに戻す。
これで勢いに乗った相洋は、87分、右からのCKのチャンスをニアサイドのDF古澤政斗(3)が高い打点から綺麗にゴール左隅にヘディングを決め逆転。更にアディショナルタイムの90+1分には、左サイドをドリブルで持ち出した先山のクロスを後半から出場したMF能戸岳成(8)が合わせ3-1に。
残り時間、桐光学園も必死に反撃。90+3分にペナルティエリアのすぐ外からFKを獲得、これを山本が直接狙うもボールは無常にもクロスバーの上を超えゲームセット。相洋は、前々節からの連勝を3に伸ばし、良い流れで前半線を折り返した。
試合後、相洋の綱島陽介監督は「前半の内容は悪くなかった。後半必ず点は取れると思っていた。慌てないでやって欲しいと思っていた中で、交代で入った選手たちも活躍してくれて逆転も出来、(チームの力が)強くなって来たなと思います」と選手たちの頑張りを喜んだ。キャプテンマークを巻き、決勝ゴールを決めた古澤は「失点してしまったが、そこから立て直して自分たちの流れに戻し勝つ事が出来た。インターハイ予選で負けた相手に借りを返せて良かったです。」と雨と汗に濡れた顔を綻ばせた。
惜しくも逆転負けを喫してしまった桐光学園の久保昌成コーチは「先制して、ミスから失点して追い付かれて、逆転されて…マリノス戦の時と同じような展開でしたね。来週はリーグ初戦で負けている日大なので、結果を出したいですね。」と今ひとつ波に乗れない状況に歯痒そうだった。
K2リーグは、今節で前半戦が終了、来週後半戦の初戦が開催され中断となる。成長著しい高校年代、まだまだ何が起こるかわからない。
(取材・文 Kazuhiro.N)