2020年11月7日、第99回全国高校サッカー選手権東京都大会2次予選Aブロック準決勝「國學院久我山高校対関東第一高校」の一戦が味の素フィールド西が丘グラウンドで行われた。
今大会屈指の好カード。試合が動いたのは前半18分だった。赤坂爽也人(6)からのパスを受けた河合優斗(11)が右足で決め國學院久我山が先制する。続く23分には、再び赤坂からのパスを受けた吉田圭佑(7)がミドルシュートを豪快に決め國學院久我山がリードを2点に広げた。
このまま前半終了かと思われた前半終了間際の40分、ドリブルで持ち込んだエース笠井佳祐(10)が右足で決め関東第一が1点差に迫り前半を折り返す。
後半に入ると前半終了間際のゴールの勢いそのままに、関東第一が攻勢に出る。後半4分、弓氣田葵(8)のフリーキックを鹿股翼(2)が豪快ヘッドで決め、ここで関東第一が同点に追いつく。その後、拮抗した展開が続いたが、大きく動いたのは後半20分。類家暁(14)が倒され得たPK笠井が決めて、関東第一が遂に2点ビハインドを逆転する。
終盤に入り、國學院久我山が粘りの攻撃を見せる。38分、右サイドバックの星洸介(13)が左足でミドルシュートを放つも関東第一のゴールキーパー野田好誠(1)がファインセーブでゴールを死守する。
しかし、ロスタイムのコーナーキック、國學院久我山はゴールキーパー村上健(17)もゴール前へ上げて執念を見せるが、逆にクリアボールを拾った類家が無人の國學院久我山ゴールへロングシュートを蹴り込み関東第一が4得点目を奪う。このままタイムアップを迎え、関東第一が2点ビハインドから見事な逆転勝利を収め、Aブロック決勝進出を決めた。
試合後のインタビューで関東第一の小野貴裕監督は、
「守備が粘り強く対応してくれてよかった。前半2失点をして戻ってきたんですけれども、やり方として間違っているという感覚はなかったので選手にはそこを強く伝えました。
攻撃ができていないところが一番課題だったのでどうやって攻撃に行くのかというところをハーフタイムでは修正をかけました。
選手たちはよく対応してくれて、後半は3点取れたのでゲームの進め方に関しては良かったなというふうに思っています。
先に点数取られるっていうのはゲームを運ぶ上ではあまり望ましくないのでなんとか先制点を取られないように決勝戦では意識したいなと思います。
3年ぶりの決勝なのでまた戻ってこれたということは非常に嬉しく思っています。
去年西が丘で終わってしまった3年生(卒業生)がいるのでなんとかその子たちのためにも頑張りたいなという風に思っております。」と決勝戦への意気込みを語った。
10番を背負う関東第一のエース、キャプテンの笠井佳祐(10)は、
「前半の入りがあまり良くなくて相手に飲み込まれる時間が多く、2失点してしまったということが自分たちのチームの中の反省点だと思います。
後半4点とれたというところはチームとしてもプラスになると思うのでよかったです。
チーム全体を振り返って相手より走れていたのでそいうところはチームの良いところだなと思います。
残り1試合、気を抜かず一戦一戦大事に戦って行きたいと思っています。」と、決勝へ向けての意気込みを語った。
1年生で全国の舞台を経験した関東第一・鹿股翼(2)は、
「ゴールを取れたところが良かった。修正点は自分のミスで失点したプレーであったりバックパスなど目立つミスが多かったのでそういう部分を決勝に向けて修正して行きたいなと思います。
みんなが自分のボールをつないでくれなかったら点は入れられなかったのでその部分はチームの良さでもあり本当によかったと思います。
自分も含め、前半最初引き気味になってしまったところはチームの課題だと思います。自分たちの良さは守備を前からかけるところなので引き気味になってしまわないよう改善して行きたいと思います。
決勝でも2ゴール以上とってチームに貢献し、絶対全国に行きたいなと思っています。」と語った。