2023年11月25日、時之栖スポーツセンター時之栖Aグラウンドで、高円宮杯 JFA U-18 サッカープリンスリーグ 2023 東海 第17節「JFAアカデミー福島U-18（以下、AC福島）対 藤枝明誠高校（以下、藤枝明誠）」の一戦が行われ、AC福島が藤枝明誠を3-0で破り、時之栖での最後の試合を白星で飾った。
気温も一桁台といよいよ冬本番が近づく中、試合はAC福島ボールでキックオフ。2分、カウンターでボールを持ち出したMF花城琳斗（10）からパスを受けたFW吉田喬（5）がファーストシュートを放つ。吉田は4分にもDFの背後を狙った花城の浮き球をシュートに持ち込むが先制とはならない。序盤の勢いからAC福島ペースが予想されたが、藤枝明誠も中盤の選手が流動的にポジションを変えながら高い位置を保ち、AC福島を自由にさせない。
しかし、31分、右サイドからDF塚田喜大（15）がゴール前の吉田にクロスを入れると、このボールの処理をDFが誤りオウンゴール。AC福島が思わぬ形で先制に成功する。
追う展開となった藤枝明誠だったが41分、MF阿部隼士（7）のFKをGK和泉空良（1）がファンブル、こぼれ球に素早く反応したFW遠野翔一（11）がシュートに持ち込むが、MF石田然（6）が和泉と共に身体を張ってブロックし、ゴールを許さない。
すると45＋1分、FKのセカンドボールを回収したDF長尾ジョシュア文典（4）から繋いだ攻撃を最後はMF田丸太陽（16）が枠に収め、AC福島が2点リードで前半を折り返す。
サイドが変わった後半もAC福島の勢いで幕を開ける。48分、花城からのラストパスを吉田がワントラップから強烈なシュートを放つが追加点を奪えず。
しかし、藤枝明誠も黙っていない。54分、56分と立て続けにMF矢頭勇亮（8）が好機を演出すると、64分には左サイドで粘ったFW林賢人（8）が中央に走り込んでくるMF杉本兼透（24）にパス、杉本は果敢にゴールを狙うがシュートは惜しくもバーの上へ。藤枝明誠は84分にもCKのセカンドボールをDF青木壮太（3）がミドルシュートで狙うもGKの好セーブでゴールを奪う事が出来ない。
すると90＋2分、AC福島は途中出場のFW大畑魁（9）が、豪快に決めダメ押し。大畑は『これまで自分の思うように出場機会を得る事は出来なかったが、チームに良い影響を与える事はずっと意識していた。それがゴールに繋がった。』と試合後に自分の果たした仕事を噛み締めた。結局、AC福島が12年間に渡って活動拠点としていた時之栖、そして活動を支えてくれた多くの方々に『勝利』という最高のプレゼントで感謝の気持ちを示した。
試合後、津田恵太監督から感謝の言葉、キャプテンの長尾と吉田、林の3選手からは記念品が、応援はもちろん、試合運営にも携わってくれたFC時之栖のメンバーに送られ、記念撮影が行われた。
時之栖での最後の試合を締めたGK田中雄大（12）は『3年間お世話になって、食事を始め、色々なところで時之栖の方々に支えてもらいましたし、アカデミーでは沢山のことを教わりました。とても感謝しています。』と言葉を紡ぐと、DF余田碧（13）は『ここ（時之栖）でお世話になって、最後の年代としてアカデミーの誇りと責任を持ってプレーが出来、勝ちで締め括れて良かった。』と最後のホームゲームを振り返った。
会場には、OBやご家族等もたくさん詰めかけた。あちらこちらで輪が出来、話の花が咲いた。様々な人に支えられた12年間、残り試合はアウェイの清水エスパルスユース戦のみ。前期では唯一白星を逃した相手ではあるが、最後までアカデミーらしさを出して有終の美を飾って欲しい。
（取材・文 Kazuhiro.N）
