2023年10月9日、堀越学園総合グラウンドで、第102回全国高校サッカー選手権大会東京都2次予選 Bブロック2回戦「東京成徳大学高校(以下、東京成徳大)対 東京都立葛飾野高校(以下、都立葛飾野)」の一戦が行われ、延長でも決着がつかず、もつれ込んだPK戦で東京成徳大のGK柳生遥都(1)が、都立葛飾野のGK加藤丈太郎(12)との壮絶なセーブ合戦に競り勝ち3回戦進出を決めた。
開始前から強さを増した雨でグラウンドには水溜りも出来始めるバッドコンディション。早い時間帯で主導権を握りたい都立葛飾野はスタートから素早い出だしで次々と相手陣内に攻め込むが、東京成徳大も手厚い守備で応戦する。徐々にペースをつかみ出した東京成徳大も両サイドからの仕掛けでゴールを目指すが枠を捉えきれず試合は膠着。74分にはゴール正面でFKを獲得し最大のチャンスを迎えるがMF原慎之介(10)の渾身の一撃はGK金子圭吾(1)に止められ決着をつける事は出来ない。
前後半スコアレスで迎えた20分の延長戦も互いに譲らずPK戦へ突入。勝負は東京成徳大・柳生と96分にPK職人として投入された加藤との一騎打ちに委ねられた。
双方共に1本ずつ止め4-4のままPK戦も延長戦に突入。6人目を共に失敗で迎えた8人目「正直、相手GKの勢いがあって自分でも怯んでしまったのですが、味方を信じて集中して自分は止めるだけ」と心を決めた柳生は迷わず左に飛びドンピシャでストップ。雨中の壮絶な激戦にピリオドを打った。
試合後、東京成徳大・望月勉監督は「やっぱり80分間の中で勝つゲームだったのかな?勝った事はまずは良いのだが、勝ち方としては満足していない。決めるところで決める、ひと皮剥けないと…課題はたくさんです。」と選手たちの力を信じているだけに次に向けて敢えて苦言を呈した。またキャプテンのDF毛利岬(4)は「80分、そして延長でも決め切れる事が出来なかった。自分たちの思うように出来なかったが、最後PKで副キャプテンの柳生が止めてくれたので良かったです。」と勝った事への安堵は見せたものの、やり切れなかった悔しさも合わせて表情に滲ませていた。
惜しくも後一歩及ばなかった都立葛飾野。序盤の勢いのあった時間帯に決められず苦しい展開とした中で最後まで集中を切らさず激しいプレスは持続した。PK戦でもピッチ横の応援席からの「丈太郎〜お前ならやれる!」の後押しに応えるように加藤が2本のストップを決めるなど見事だった。
勝った東京成徳大は、15日に直前の試合で勝利した堀越とベスト8入りをかけて対戦する。
(取材・文 Kazuhiro.N)
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