2023年9月2日、時之栖スポーツセンター時之栖Aグラウンドで、高円宮杯 JFA U-18 サッカープリンスリーグ 2023 東海 第10節「静岡学園高校Ⅱ(以下、静岡学園)対 藤枝明誠高校(以下、藤枝明誠)」の一戦が行われ、2点のビハインドで迎えた後半、藤枝明誠が試合終盤にFW林賢人(9)のゴールで静岡学園Ⅱに追いつき引き分けに持ち込んだ。
リーグ後半戦の初戦、主導権を握ったのは静岡学園。9分、MF菅井海翔(6)のFKをファーサイドでMF桾澤琢太(5)がゴール前に折り返すとこれをDF中村奏太(23)が頭で押し込み幸先よく先制する。
勢いに乗る静岡学園は21分にもMF庄大空(8)が鮮やかにゴールを決め、2-0とリードを広げ、前半を終了する。
何とか反撃の糸口を掴みたい藤枝明誠だったが、後半の立ち上がりも静岡学園の攻撃力に苦戦、46分にはFW石川智也(11)、47分には庄にシュートを浴びるが、ここはGK野村寛礼(1)が身体を張って追加点を許さない。
これを機に徐々に流れが藤枝明成に移り出すと54分、CKのチャンスからFW遠野翔一(11)が折り返したボールをMF谷澤大介(16)が頭で押し込み1点差に。
「90分と言うゲームが久しぶりでチーム全体が失速してしまった」とキャプテンの菅井が試合後に悔やんでいたように徐々に運動量が落ちた静岡学園に対し、藤枝明誠に勢いが増すと85分、DF越前吏功(4)からのパスを林がゴールに収め、遂に試合を降り出しに戻す。
終了間際に退場者が出て数的優位にもなった事で何とか試合を決め切りたかった藤枝明誠だったが、静岡学園も10人で最後まで守り切り、結局、後期の開幕戦は共に勝点を分け合う幕切れとなった。
試合後、静岡学園Ⅱの指揮を執る宮本佳宜コーチは「前半も後半も入りは悪くなかったと思います。決定的チャンスを決めきれなかった。これまでもずっと課題ではあったが、引き続き課題かなと思います。我々はBチームである限りはチャレンジャーなので、一戦一戦自分たちらしさに拘りながら勝ちを目指していきたいです。」と期待を込めて選手たちの奮起を促した。
これに対し選手たちも「しっかり結果を出していき上に呼んで貰えるような活躍をしたい(庄)」「失敗する事もあると思うが挑戦しながら結果を残したい FW加藤歩貴(9)」と力強く応えてくれた。
一方、2点のビハインドを追いついた藤枝明誠・松本安司監督は「入り方が良くなった。失点は明らかな自分達のミスだった。(同点には追いついたが)仕留めるところを仕留めたら(どちらのチームとしても)決着はつけられた試合。もう少しボールを大事に正確に扱って欲しい。合格点はあげられない。今日気づかせてもらった事をどう意識してトレーニングしていくのか?ここからは3年生の力が重要、彼らがどのように持っていくのか、そこに期待していきたい。」と更なる選手、とりわけ高校サッカーの締め括りの領域に足を踏み入れた3年生の奮起を促した。
後半戦はまだ始まったばかり。ここからどのようにリーグが推移していくのか?それぞれが悔いの残らないように、ひとつひとつのプレーを大事にしながら、ようやく制限の取れたサッカーを思い切り楽しんで行って欲しい。
(取材・文 Kazuhiro.N)