2023年7月9日、時之栖スポーツセンター時之栖Aグラウンドで、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023 WEST 第11節「静岡学園高校(以下、静岡学園)対 ヴィッセル神戸U-18(以下、神戸U-18)」の一戦が行われ、静岡学園がFW神田奏真(9)の2ゴールで神戸U-18を退け、前半戦を首位で折り返した。
前日から続く霧は、キックオフ時間を迎えても晴れることはなく、すぐ目の前も見えないくらいだった。そんな状況下で先制したのは静岡学園だった。32分、MF田嶋旦陽(16)の守備から掴んだチャンスを左サイドからMF高田優(10)が折り返すとファーサイドに走り込んだ神田がこれを合わせ先制する。
これに対し神戸U-18は、後半に入るとDF本間ジャスティン(5)が右サイドで鋭い突破を見せるなど徐々に流れを引き寄せ始める。66分にはオフサイドになってしまったものの、FW渡辺隼斗(48)がゴールネットを揺らすシーンも…
しかし、76分、高田のパスに反応した神田が侵入したペナルティエリアで倒されPKを獲得。これを自らがきっちりと決めて静岡学園が2-0で勝利した。
試合後のインタビューで静岡学園・川口修監督は、「チャンピオンシップ出場と言う最終目標の為には勝ち点3は欲しい。選手たちが勝ちたいのも勿論わかるが、勝つサッカーをやるのではなく、今ある個人の課題、チームの課題を改善しながら自分の良さを全て試合にぶつけられる様に、それしか選手には伝えていない。その様な中で課題もあるが、結果も続いてきた。それを含めて今日の試合では(前半戦の集大成として)目標が達成できたのかなと思います。」とこの試合を振り返った。また、前半戦を首位で折り返した事に関しては「チームとしての約束事というのはあまり無い。個人の課題を改善している状況の中、選手達は吸収が早く改善する力があってそれが上手く出来ている。チームとして『この試合、絶対に勝つぞ』と言う事はここまでやってない。とにかく『自分の個を出しなさい。それをチームの為に使いなさい。』としか前期は言ってきていない。それが(上手く出来てきて)チームとして結果が出せている」と総括した。
惜しくも敗れてしまった神戸U-18。アウェイの不慣れなグラウンドと濃霧のいう悪条件が重なり、序盤は手探りの状況で波に乗り切れなかった。サイドが変わった後半は途中から視界も開け、MF坂本翔偉(10)が起点となり、MF濱﨑健斗(43)、MF今富輝也(8)がより流動的にリズムを作り、本間の推進力を織り交ぜながら静岡学園ゴールに僅かのところまで迫った。順位としては一歩後退をしてしまったが、クラブユースや夏場の強化期間で成長を遂げ、後半戦に臨んで欲しい。
(取材・文 Kazuhiro.N)