2023年7月23日、しんよこフットボールパークで、高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2023 神奈川 K2 第10節「日本大学高校A(以下、日大)対 桐光学園高校B(以下、桐光学園)」の一戦が行われ、桐光学園が後半に上げた2ゴールを守り抜き、リーグ後半戦の初戦に快勝した。
まだまだ暑さ真っ盛りの午後3時、選手達はその暑さを自ら振り払うようにピッチに登場、日大ボールで試合は始まる。
序盤から積極的に仕掛ける日大は、MF桑島優空(10)を起点に攻撃を組み立て前線のFW清沢翼(9)とFW秋山誠二(19)が推進力で桐光ゴールに襲いかかる。13分にはFKから秋山が頭で20分には清沢が右足でゴールを狙うが、桐光学園のGK村田侑大(1)が左右に身体を張りスーパーセーブを連発、先制を許さない。
守りの時間帯が続いた桐光学園だったが、飲水明けから徐々にペースを掴みだすと34分にはショートカウンターからFW伊藤壮喬(8)が右サイドからチャンスを作るがフィニッシュには至らず、スコアレスのまま、勝負は後半に持ち越される。
後半に入ると一転、今度は桐光学園が日大ゴールに迫ると51分、MF湯藤翔太(6)のパスを受けたFW寺澤公平(11)がシュート。これは惜しくもサイドネットだったが、ギアが入った桐光学園は、63分、左サイドで粘ったMF吉田晃大(12)がゴール前に折り返すとこのボールが競り合った寺澤とDFを掠め、背後のDFの胸に当たるとそのままゴール内に転がり、意外な形で先制に成功する。
勢いに乗った桐光学園は69分、中央でボールを受けたMF山本陽大(7)が右サイドのDF武山陽介(23)に展開、「左右の足のロングフィードがストロングポイント」の武山はカットインからゴール前に精度の高いクロスを送ると、これをFW浦上大和(9)が難しい体制からヘディングで競り勝ち、追加点を上げる。
2点のビハインドとなった日大も桑島が中盤で粘りを見せボールを配給、清沢の推進力に加え、途中出場のMF岩澤遥耀(20)の強烈なミドルシュートなど、最後まで反撃を試みるが、桐光学園DF陣も踏ん張り、ゲームセット。開幕戦で苦杯を喫した桐光学園が日大に借りを返した。
試合後、日大・山内大輔監督は「前半はプラン通り行けたのですが…桐光さんの力強さに付いていけなかった。何処かで1個(点)取って流れを変えたかったですね。」と話す一方で「なかなか結果が伴わない中で選手たちにどう自信を付けてあげられるかが自分たちの仕事なので、これからスタッフと共に頑張っていきます」と自らを引き締めた。
勝った桐光学園にとって、奇しくもこの日はアメリカへ留学するまでの4ヶ月間をコーチとして支えたOB大高颯斗さんがチームを離れる大事な日だった。先制のシーンでは大高さん自ら選手達の歓喜の中心に飛び込み歓びを分かち合った。「(自分の最後の試合で)勝って良かったです。僕も向こうで精一杯サッカーも大学での生活も頑張ってきます。」と選手達からの勝利に嬉しそうだった。
K2リーグはこれから約1ヶ月の中断。各チームが中断期間をどう活かしてくるのか、再開後の戦いが楽しみだ。
(取材・文 Kazuhiro.N)