2020年11月8日、2020年度第99回全国高等学校サッカー選手権大会神奈川県予選会2次予選の準決勝、「桐光学園対日大藤沢」の一戦が等々力陸上競技場で行われた。
昨年の神奈川県大会決勝と同じ対戦カードとなった準決勝は、立ち上がりから中盤での激しいボールの奪い合いが続いた。
試合開始早々、日大藤沢がチャンスを作る。
キャプテン宮川歩己(3)が最終ラインからロングフィードを送ると、左サイドを駆け上がりこれを受けたSB栗原丈(5)が一人かわしクロスをあげる。これに走り込んだFW野々山智仁(11)が左足でボールを捉え鋭いシュートを放つが、これはゴールポストに阻まれる。
一方、桐光学園はMF山市秀翔(8)を中心に中盤からサイドへ展開したのち前線で仕掛けることでリズムを作る。
前半16分、桐光学園が左サイドでコーナーキックを獲得する。
キッカーのMF栗原祥太(11)が右足で送ったボールは鋭くゴールニアサイドを襲い、そのままゴールラインを割り先制点となった。
先制された日大藤沢であったが、冷静にディフェンスラインからビルドアップし決定機を伺う。
しかし、桐光学園の球際の強さが目立ち、なかなかゴール前までボールを運ぶことができず、そのまま前半を折り返す。
後半もボールを支配し決定機を狙う日大藤沢がついに桐光学園ゴールをこじ開ける。
左サイドの浅い位置からFW猪狩祐真(10)がクロスを送ると、DF松本遼成(2)がインサイドで落としペナルティアーク付近からMF斉藤夏(7)が右足を振り抜きゴール左隅に突き刺し同点とした。
熱を帯びた両チームは積極的に前線にボールを送り追加点を狙う。
流れを変えるべく桐光学園は立て続けに3枚の交代カードを切った。
交代で入ったMF栗江晟(14)、DF斉藤凌玖(24)が前線からプレッシャーをかけ幾度となくチャンスを作る。
日大藤沢も細かいボール回しからシュートまで持っていくが、追加点を奪うことはできず後半が終了した。
延長戦に入っても両者の激しい攻防は続くが、消耗しながらも集中が切れることはなく延長後半に突入する。
延長後半4分、途中出場のDF纐纈創大(15)がロングスローでゴール前へ送ると、こちらも延長前半から入ったFW鈴木イブラヒーム(9)が混戦から押し込みゴールネットを揺らした。
控え選手の活躍によってついに日大藤沢が逆転に成功した。
残り時間は5分を切っていたが、このまま試合は終わらなかった。
延長後半7分、自陣でボールを奪った桐光学園DF国島康介(3)はすぐさま浮き玉で前線へ。
待ち構えていたDF奈良坂巧(5)はダイレクトで走り込んでいたMF栗江晟(14)にラストパスを送ると、栗江は冷静にゴール右へ流し込み土壇場で同点に追いつく。
そのまま延長後半を終え、PK戦に託された決着はサドンデスの末、桐光学園に軍配が上がった。
昨年の雪辱を果たした桐光学園が、全国への切符をかけた決勝戦に駒を進めた。