2020年11月28日、2020年度第99回全国高等学校サッカー選手権大会神奈川県予選会2次予選の決勝、「桐光学園対桐蔭学園」の一戦がニッパツ三ツ沢球技場で行われた。
3年ぶりとなる同カードでの決勝戦は高い位置からの積極的なハイプレスの応酬で幕を開けた。
立ち上がりセットプレーからのピンチを凌いだ桐蔭学園は、自陣で奪ったボールをMF廣瀬隼斗(8)がドリブルで中央へ持ち上がり、右サイドのMF本多鼓瑚(14)へ展開。ラストパスを中央で受けたFW立石宗悟(18)が相手ディフェンスが届かない絶妙な位置にコントロールすると右足を振り抜き先制に成功する。
早い時間に追う立場となった桐光学園はディフェンスラインからのロングボールで両サイドのスペースをシンプルに使い桐蔭ゴールを狙う。
このサイド攻撃から得たコーナーキックやFW山下健也(29)のロングスローから再三チャンスを作るも、桐蔭学園も体を張ったディフェンスでゴールを割らせず前半を折り返した。
後半開始早々ゲームが動く。
桐光学園が右サイドでフリーキックを獲得する。レフティーのMF山市秀翔(8)が山なりのボールをファーサイドへ送ると、DF国島康介(3)が頭で叩きつけ試合を振り出しに戻した。
直後の51分、相手ディフェンスラインをよく見ていた桐蔭学園キャプテン中島駿乃介(2)が自陣右サイドからロングボールを送ると、飛び出したFW長澤圭剛(10)が1対1となったキーパーの頭上を越すシュートでリードを奪う。しかし、その4分後の55分、桐光学園GK北村公平(1)のロングフィードを前線で収めたMF前川壮太(7)が細かいパス回しで中央へ切り込みラストパスを送り、それを受けたMF栗原祥太(11)が素早く反転し2度目の同点ゴールを決める。
その後も激しい攻防を繰り広げる両者だったが、ゴールネットは揺れず90分を終え延長戦へ。
延長前半終了間際、ピッチ中央で縦パスを受けたFW立石宗悟(18)が個人技でペナルティエリア内に侵入しPKを獲得する。これをDF青木祐人(4)が冷静に沈め大きく全国を引き寄せる。
なんとか同点としたい桐光学園は、町田ゼルビア加入が内定している身長187cmのDF奈良坂巧(5)を前線に上げパワープレーに出る。しかし、桐蔭学園の守備陣も最後の最後まで集中を切ることなく守り切り全国大会への切符を手にした。